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 自らが最もパフォーマンスを発揮できる場所や時間での働き方を実施するために、コアタイムのないフルフレックス制度の導入や、心と体のメンテナンスのためのRAS(Rest as a Work)制度の導入、ワーケーション、居住地にとらわれない全国採用などを実施している。また、健康面での対策として、瞑想の時間やゲーム感覚で運動できる取り組みを取り入れており、社員からの満足度も高い。 会社概要 組織名:名称:LAPRAS株式会社 創立:2016年 業種:サービス業 (転職を検討中のエンジニアと企業をマッチングする事業) 所在地:東京都 総従業員数:正社員:40人 パート:1人(2022年8月時点) テレワークの導入形態:終日在宅勤務 サテライトオフィス勤務 ワーケーション テレワークの利用者数(過去1年間):52人(含む派遣社員12人)(2022年8月時点) テレワークの導入 テレワーク導入の目的(経緯)  もともとは出社を基本としており、2019年3月から隔週水曜日をテレワークデーに設定していた。新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言を受け、2020年4月に全社員完全テレワーク(フルリモート)へ切り替えた。当時は、国や都の出勤者削減要請に則った暫定的な取り組みだったが、続けていくうちに完全テレワークでも組織のパフォーマンスが低下しないことが分かったことから、現在はテレワークや柔軟な労働時間制度の導入による、社員一人一人の最もパフォーマンスを発揮できる働き方の実現を目的として完全テレワークを導入している。 テレワーク導入による成果(目的の達成)  居住地に関係なく就労できるため、日本全国から優秀な人材を採用できるようになった。 2021年3月に茨城在住のメンバーが入社したのを皮切りに、富山、京都と2022年8月の間にフルリモート前提の地方在住者を11名採用した。その間の採用人数が26名だったので約半数が地方在住者という事になる。社内アンケートの「自分本来のパフォーマンスを100%としたときに、現在の環境下ではどの程度のパフォーマンスが出せていると感じますか?」という設問に対して「しっかり出せている」と回答した社員が、テレワークを開始し1年が経った2021年7月当時は50%しかいなかったが、2022年7月のアンケート実施時には90%に増加した。 基本的な事項 制度の整備状況  2021年1月にテレワーク規程を作成しており、個別の雇用契約書にも規定を反映している。全社員がアクセスできる情報共有ツールに公開し、周知している。制度の内容は経営者を含めた全員が対象。また、シェアオフィスを契約し、必要に応じて当該オフィスへ出社できるようにしており、金庫や備品など最低限の荷物置き場と5席の執務場所を確保している。総務担当の正社員が月に2回程、委託先から送られてくる社内保管郵便の管理や、電子化できない契約書の押印のために当該オフィスへ出社している。さらに、部署ごとに対面でミーティングをしたい場合にも利用している。会社としては出社しないと仕事ができないという状態を極力なくしていきたいと考えており、リモートワークと出社の運用は現在も試行錯誤中である。 実施環境の整備(労務管理面)【労働時間管理】  自己申告による把握を原則としており、各自が勤怠システムに入力している。ただし、退勤打刻後の社内チャットシステムにおける仕事の発言や、管理者や人事担当による目視の結果、明らかに打刻内容に疑義がある場合は、チャットツールへのアクセス状況などを参考にヒアリングを実施し、正確な時間の入力を促している。 【中抜けの取り扱い】  コアタイムを定めないフレックスタイム制度を採用しており、1カ月の精算期間内で各自が必要に応じて中抜けをしている。よって、1日複数回中抜けしているメンバーもいる。また、人事制度で1日1時間であれば法定休憩時間のほかに休憩時間を労働時間に含めることを認めている。(後述のRAW制度) 【テレワークを行う際の作業環境整備・費用負担の取り決め】  机や椅子、モニター、キーボード、マウス、マイク、イヤホンを、備品貸出制度にて派遣社員やパートを含む全社員に貸与している。リモート手当として、通信費の補助を目的に5千円、機器購入の補助を目的に5千円、計1万円を一律に支給している(仮に、各々の実費が5千円に満たなくとも控除しない)。金額は、他社事例や、シェアオフィスへの移転による固定費や通勤費の削減、自社の財務状況を考慮し決定した。 【メンタルヘルス対策を含む健康確保対策】  毎月、フィジカルメンタルチェック(アンケートフォームによる体調などの確認)を実施しており、各項目がBADに寄っている社員には面談を実施している。さらなるフォローが必要な場合は、社外に契約している専門家に相談できる環境を構築している。 実施環境の整備(情報通信環境面)【在宅勤務】  高性能のPCを社員全員および派遣社員とパートに貸与している。SaaSサービスを導入するだけでなく、非同期コミュニケーションも前提とした業務フローを合わせて整備することで、オフィスで働いていた時と遜色のない業務環境を提供している。 【サテライトオフィス勤務】  社員が全国のシェアオフィスを活用できるよう、3社と法人契約している。3社合計の拠点数は計1,131あり、毎月の個人利用が延べ8人、チーム(部署)単位での利用が月平均2回程度となっている。 ワーク・ライフ・バランスに関する事項 健康で豊かな生活のための時間の確保【労働時間の柔軟な取り扱い】  始業終業時刻や早退、中抜けを柔軟に調整できる働き方として、コアタイムのないフレックスタイム制度を導入している。時間単位年休制度も導入しており、時間単位で年休が取得できる  リモートワークに伴う運動不足などによって生じる、心身の不調などを解消するための制度として、「RAW (Rest as a Work)」を創設した。就業時間中の休憩とは別に1日1時間休むことができ、就労時間として扱われる。朝30分、昼30分のように分割取得も可能。雇用区分を問わず1日8時間以上就労する全社員が対象であり、ほぼ全員利用している。  成果目標(売り上げ、マッチング数、MAU、採用人数など)を満たしていれば、1カ月の所定労働時間に満たなかったとしても、給与の減額が発生しない(10月で該当者3人)こととし、働く時間と場所に縛られない働き方を可能とする制度「LSW (LAPRAS Sustainable Working style)」も導入している。MAU: Monthly Active Users 【長時間労働対策、時間外・休日労働時間の削減】  毎日、労務担当者が勤怠システムをチェックしており、所属部署の業務や今までの働き方、また社内チャットツールの個人のつぶやき内容などから、長時間労働になりそうな社員が出てきたら上司と本人に注意喚起している。休日労働や深夜労働をする場合は、全員が見られるチャットのチャンネルで事前に報告することとしている。毎月1カ月の勤怠が締まった段階で、全社員の労働時間分析表※を作成しており、経営会議で増減報告や要因、改善方法を確認するなどして細かな労働時間管理と対策を実施している。 毎月の総労働時間、稼働日数、一日当たりの平均労働時間と四半期集計の表 【健康の確保】  運動不足によるメンタル不調を予防するために、就業時間にオンライン上で参加できる瞑想やストレッチ、筋トレなどのプログラムや、ゲーム感覚で歩数を競えるような仕組みを導入し、毎週1回決まった時間に実施している。参加時間は労働時間として扱う。 多様な働き方の選択 【育児・介護の要のある者】  年5日の子の看護休暇を有給としている。「RAW」制度などを併用しながら仕事と両立している社員が多い。育児が理由で退職した社員はおらず、育休復帰率も100%である。 【非正規雇用社員】  アルバイトや派遣労働者も正社員と同様にテレワークを実施している。地方在住の派遣社員が3人いる。 【女性活躍に関わる取り組み】  テレワークを導入したことで女性の採用が増えた。テレワークを開始し1年が経った2021年7月当時、女性社員は3名(全社員の10%)だったが、テレワーク導入後2022年9月時点では10人(全社員の25%)となった。 【多様な働き方の推進】  居住地に関係なく日本全国から社員を採用している。実家と東京都内を行き来した二拠点生活を行っている社員(1名)や、埼玉県から愛知県に移住した社員(1名)、出産とリモートワークを機に都内から埼玉の妻の実家に引っ越した社員(1名)、リモートを機に実家の近くに家を建築するために引っ越しした社員(1名)がいる。サテライトオフィスの活用やワーケーションも推奨しており、働き方の多様な選択肢を設けている。 社員満足度  四半期毎に年4回、組織サーベイという形で実施している社内アンケートの「会社はテレワークの活用にあたって、社員の事情に合わせた労働時間の柔軟な取り扱いを行っていると思いますか?」という設問に対して、最高点を選んだ社員が94.7%、9段階中の7点以上を選んだ社員が100%となった。(2022年7月実施) 他社の模範となる取り組みに関する事項 環境整備 【テレワーク導入時の業務の見直しや点検】  オフィスでしかできない業務以外は各自の自宅でできるように運用を見直し、契約書の電子化や労務手続きの電子申請対応を行った。郵便の受け取り管理を代理で行う社外サービスの導入や小口現金の廃止、支払いのカードへの統一も行った。 労務管理上の工夫 【作業環境整備の工夫】  孤独感の解消や雑談・コミュニケーションの活性化を目的として、バーチャルオフィスを導入した。朝会や部署のミーティング、個人的に話したい時にも活用している。  毎週水曜日には、30分間バーチャルオフィス内で社内メンバーと雑談できる「オンライン珈琲店」を開催している。仕事から離れて雑談したいメンバーが自主的に集まり、コーヒーを飲みながら気軽に話せる場となっている。参加者がマンネリ化しないよう、直近の入社社員に参加してもらい、業務でかかわらないメンバーなどと入社間もない段階でコミュニケーションをとってもらえるよう工夫している。 労務管理上の工夫【人事評価の工夫】  テレワークでは、オフィスにいることや勤務時間ではなくパフォーマンスに注視する必要がある。各チームで重要な目標・フォーカスポイントを定め、毎月自分の行った業務やプロジェクトを評価シートに整理している。一緒に仕事をしている同僚が、その業務やプロジェクトに対して定性(良・優・秀の3段階評価とフィードバックコメント)で評価し、その評価から評価決定者が最終的な査定を行う。これにより、リモート化において周囲から信頼を集める仕事ぶりをしている人が高い評価を得ることができる。  一方、四半期に一度の評価で、評価対象期間内において、所定労働時間に満たない月が多く、目標も未達の場合は低い評価となり昇給にも影響するが、労働時間に満たない部分の賃金には影響しない。 【人材育成(社内教育・研修)の工夫】  オンボーディングコンテンツを整備しており、約1カ月かけて会社の業務に関する情報をインプットしている。全社員と1on1で、ホラクラシーやプロダクト、HR、法務などの業種共通的な要素に加え、業種ごとのオンボーディングを実施し、社内の関係性を構築する取り組みも行っている。また、業務上の世話役となるトレーナーと業務外の世話役となるメンターで、日々の業務をサポートしている。 【ハラスメント対策への取り組み】  ハラスメント研修を全社員に年1回実施するほか、中途入社の入社研修時にも実施している。社外に相談室を設置しており、相談しやすい環境を整備している。 【オフサイトミーティングの取り組み】  社員の絆を深め、事業を推進するための取り組みとして、プレゼンテーションやワークショップなどを行う全社員参加のオフサイトミーティングを3カ月に1回開催している。交通費や宿泊費は会社が負担し、現地参加・リモート参加を各自選べるようにしている。
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