e-Janネットワークス株式会社
会社概要
組織名
名称:e-Janネットワークス株式会社
創立:2000年
組織代表者
役職代表取締役
氏名坂本史郎(さかもとしろう)
業種情報通信業
所在地東京都
総従業員数127人(2021年9月時点)
テレワークの導入形態
終日在宅勤務 部分在宅勤務
モバイル勤務 サテライトオフィス勤務
ワーケーション
テレワークの利用者数(過去1年間)127人(2021年9月時点)
■制度の整備状況
2017年のテレワーク試験導入を経て、2018年からテレワーク制度を施行している。社内の
テレワーク実施状況を考慮しながら改定を重ね、現在では、全社員が在宅勤務を中心としつ
つ、必要に応じて出社も選べる制度となっている。
2021年には社員が自宅以外の場所でテレワークできる「ワーケーション制度」や、オフィス
への通勤を不要とする遠隔地への正社員の移住を認め、場所を問わず勤務できる「どこで
も在宅勤務制度」といった働く場所を自由に選択できる制度を導入している。
基本的な事項
「在宅勤務」を基本としつつ、必要に応じて出社も選べる働き方を「e-Jan!Work
Style」と定め、社員の裁量で柔軟に働き方を選択できる体制を整えている。この基本
方針の下、テレワーク関連手当の支給、独自の社員間コミュニケーションツールの提供
やオンラインでの交流促進施策の実施、ワーケーション制度の導入を行うなど、日常
的に社員のニーズや課題を吸い上げ、改善することで社員それぞれがテレワーク下で
あってもパフォーマンスを十分に発揮できる環境作りに日々取り組んでいる。
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■経営上の位置付け
在宅勤務を中心とした多様な働き方を社員が柔軟に選択できる「e-Jan!Work
Style」を2020年6月に会社方針として定め、会社として永続的な「原則在宅勤務」宣言の
下、全社員のテレワーク実現に伴う手当や社内ツールの拡充、必要機器の貸与、ワーケー
ションを始めとする新制度の導入等を継続的に行っている。
■周知・啓発方法
テレワーク制度を定着させるにあたりいくつもの段階を踏みながら啓蒙活動を行った。特
に、2018年から2020年にかけては全社員向けにテレワークを本格導入した時期であり、周
知・啓発に力を入れた。具体的には、社員がテレワークをするためのきっかけづくりとして、画
像2にあるような政府や自治体が主催するテレワーク推進イベントへの参加や全社一斉テレ
ワーク日の設定等を行い、徐々に社員のテレワークへの関心を高めるとともに、各部署のテレ
ワーク体制の見直し等も行いながら、テレワークを啓蒙した。
現在の取組としては、社内向けにテレワークに関連するルール、FAQなどを公開し、社員が不
安なく制度を利用できるようテレワークの促進を行っている。また、テレワークに関する実態・意識
等についてのアンケートを定期的に実施し、その結果を全社に共有している。さらに、その結果を
踏まえ制度の改善につなげると共に、テレワークのメリット・意義等の啓蒙活動を行っている。
(画像1 e-Jan!WorkStyle概要)
「e-Jan!WorkStyle」概要
原則在宅勤務、ただし必要に応じて出社も可能
●全社在宅勤務を基本とする(出社も可)
●時差出社/退社を推奨(コアタイム内での出勤を許可)
●フレックス勤務(コアタイム10:00~15:00)
●社内外会議は、原則としてオンライン形式で実施
●イベント/セミナーは、基本的にオンラインで実施
●クラウドPBXサービス活用による電話転送の実施
●社給端末の貸与
●代行会社における受電対応
●留守電対応
勤務体系
会議/イベント
電話対応
テレワーク推進イベントへの参加
2019年7月~9月テレワーク・デイズ/スムーズビズ前に
目標および準備期間を設定
対象期間中に全社員が1回以上テレワークを実施
約2か月間
●全社向け「テレワーク実施説明会」を実施
●各部署ごとに「課題対策ミーティング」を実施
●テレワークルール見直し、社内ポータルサイト設置
●PC等の貸出物利用マニュアル、コワーキングスペース
利用マニュアルなど作成
目標
準備期間
準備内容
(画像2 テレワーク推進イベント参加時の周知・啓発内容)
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■人事・労務管理の整備
【労務管理の運用ルール】
社員自身が出退勤時刻を勤怠管理システムへ打刻している。打刻後、連動している在
席確認システムへ出退勤状況が反映され、各社員の出勤状況や出勤場所が確認できる
ようになっている。加えて、各社員が所属部署内で社内チャットツールに勤務状況を毎日
共有しており、例えば、離席時や昼食時などに申告を行うようしている。
その他、PCの利用時刻ログの回収も行っており、当該ログと勤怠管理システムに登録さ
れた時刻に乖離がないか確認できる体制を整えている。
【人事評価面での取組】
在宅勤務の状況等を考慮して、評価シートの見直しなどを行い、全社的に適正な評価
がなされるようにしている。テレワークが通常の勤務形態として定着しており、全社員がテ
レワークを実施できていることから、働き方による人事評価への影響は少ない。また、課題
があった場合は、部署ごとにコミュニケーション等を工夫し、課題を可視化することで対応
しやすくしている。
【労務管理上の工夫】
チャットツール上で出退勤、休憩等の部署内連絡や、朝礼・昼礼などの定例ミーティング
の実施など、各部署がそれぞれの業務内容に沿った運用ができるよう、部署独自の工夫を
して、適切なタスク管理を行っている。また、自社開発の日報コミュニケーションツールを通
じて、全社員が1日の業務内容や連絡事項を記載した日報を作成しており、全社員がお互
いのタスクや進捗状況を閲覧し、コメントできるような仕組みになっている。上司や同僚とお
互いの業務内容を把握することで、業務を怠ることへの抑制や適正な労働時間及び健康
管理につながっている。
■情報通信環境の整備
【在宅勤務】
社員の要望に基づいて、PC、タブレット端末、モニター、ヘッドセット、マウス、キーボード
を貸与することで、オフィスと同等の環境を整備できるよう会社としてサポートしている。ま
た、自宅で快適かつ生産性に優れた業務環境を整えてもらうことや、在宅勤務時の通信
環境整備や通信費、光熱費等の補填を目的に以下のテレワーク手当を支給している。
・テレワーク環境準備一時金(2021年4月に10万円支給)
・固定テレワーク手当(月5千円支給)
・デイリーテレワーク手当(テレワーク勤務日×5百円支給)
全社員が在宅勤務可能な体制となっているが、これはペーパーレス化によるところが大
きい。営業事務部門では、自社開発システムにより、当該製品を物理納品(郵送)からデー
タ納品(メール送付)に切り替えているほか、管理部門においては、紙類で扱っていた書
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類をデータで対応できるように会計及び人事労務ソフトを導入している。
また、電話対応については、出社しなくても対応できるように、クラウドPBXサービスへ移
行したことに加えて、電話受付代行サービスも活用している。
【サテライトオフィス勤務】
2018年から、外出時の隙間時間や自宅の近所で利用できる外部コワーキングスペース
を契約している。また、働き方の幅を広げられるよう2021年7月に「ワーケーション制度」を
策定するとともに、当該制度の利用を促進すべく、同時期に北海道函館市に自社のサテラ
イトオフィスを開設した。さらに地方拠点である高知オフィスもワーケーション時のオフィスと
して活用できるよう、2021年11月にオフィスフロアの拡張を行った。
【モバイル勤務】
自社製品であるテレワークプラットフォームの全社活用により、安全で快適なテレワーク
環境を構築済みで、社員個人所有のスマートデバイス及び自宅PCから、業務用のクラウド
サービスや社内の業務システムに社外のどこからでも安全にアクセスできる。これにより、
外出時の移動時間や隙間時間等に業務ができるモバイル勤務も可能となっている。
【情報セキュリティ教育】
ISMS27001認証を取得しており、テレワーク環境下においても情報セキュリティへの意
識を維持するために、定期的にオンライン教育の実施や、セキュリティの順守状況を確認
するための月次チェックを実施している。
ワーク・ライフ・バランスに関する事項
■健康で豊かな生活のための時間の確保
【労働時間の工夫】
10時から15時をコアタイムとするフレックスタイム制度を導入しており、全社員が必要に
応じて利用している。また、仕事と育児や介護等との両立をサポートするために、時短勤務
制度も導入している。
【時間外・休日労働の工夫】
社内システムにより、各社員の残業時間・残業予測時間、また有給休暇の取得日数を見
える化し、全社員が一覧できるようにしている。
【家事・育児等との両立の工夫】
フレックスタイム制度やテレワークを活用して、乳幼児の食事や入浴時、家庭訪問のタイ
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ミングに合わせて一時的に離席したり、幼稚園のお迎えのタイミングで勤務終了とする社
員もいる。
【「ワーケーション制度」の導入】
2020年度に「ワーケーション」を試験実施し、2021年7月より全社員を対象とした「ワー
ケーション制度」を正式導入した。年間で最大60営業日まで、セキュリティの担保ができる
場所であればどこからでも働けるものとしている。
各地の自社オフィスでワーケーションする場合には、以下のとおり、交通費・宿泊費の補
助も支給する制度になっている(2営業日以上勤務した場合に支給)。
・交通費補助:1回上限5万円まで支給、年3回まで(最大支給額15万円/年)
・宿泊費補助:1回上限5泊まで、1泊一律5千円を支給、年3回まで補助(最大支給額7.5万円/年)
【コミュニケーション不足の解消に向けた工夫】
在宅勤務中心の働き方に移行してから、コミュニケーション面での課題が顕在化した。
この課題に対して、オンライン上での1on1、部署内での個別相談会、ランダムで選ばれた
社員とのグループ雑談などを導入することで、部署内はもちろんのこと、部署や役職を越え
たコミュニケーションが増えるよう工夫を凝らしている。
また、会社からの補助として、グループ内や拠点、プロジェクト内での親交を深めるため
の懇親会(オンラインでも利用可)に対して一人当たり5千円の懇親会費支給や、レクリ
エーション費として社員が企画したイベントに対して一人当たり1.5千円支給しており、週
末等の業務時間外でのコミュニケーションの促進にも力を入れている。
部署や役職の垣根を越えて交流
グループ雑談
定時相談会で悩みを解消
部署内個別相談会
(画像3 コミュニケーション不足解消に向けた施策)
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■就労による経済的自立、多様な働き方・生き方の選択
【多様な人材の活躍】
障がいのある方でもテレワークができる環境を整えており、日常的にテレワークを実施し
ている。また、全社員の約2割が外国籍で、出身国は様々であるため、規程をはじめとする
社内文書の英語化や、社内告知時の英文併記に加えて、一部の部署では部署公用語を
英語にするなど、国籍に関わらず誰もが活躍できるような環境づくりに努めている。
【育児・介護と仕事の両立】
テレワーク制度のみならず、テレワークに関する諸手当やベビーシッター手当制度の導
入を通じて、家で子育てしながら働く社員をサポートしており、現在に至るまで育児休暇復
帰率は100%となっている。また、男性の育児休暇取得も進んでおり、過去3年間の取得率
は75%となっている。
■社員の満足度
2021年に実施した社内アンケートでは、社員の96%以上が在宅勤務に満足していると回
答した。また、在宅勤務は集中して業務を進められると回答した割合は72.7%で、多くの社員
は業務遂行に集中できている状況にある。
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