第2回(2018年度第2回)取材記事
テレワークを本格導入した今年度を振り返って
川崎本社でのトライアルを経て、2018年10月からテレワークを全社規模で導入したバンテック。今年度の取り組みを振り返っていただきながら、現在の課題と今後の利用拡大に関してお話をうかがいました。
左から)戦略イノベーション本部 仁多見智恵子さん・平野麻由美さん
全社でテレワークを利用可能に
今年度、実際に行った取り組み内容をお話しください。
2018年1月から3月にかけて行ったテレワークのプレトライアルを経て、2018年4月からトライアルを実施し、7月のテレワーク・デイズには特別協力団体として参加しました。8月にはこれまでの在宅勤務細則をテレワーク勤務細則に改訂し、10月から全社規模でテレワークを本格導入しました。
イントラネット上のテレワーク専用ページには、テレワークの取り入れ方の例や、契約している民間のモバイルワークオフィスの案内などを掲載しています。
また、2018年11月には、テレワークの社内説明会を開催しました。川崎本社やグループ会社へオンライン配信も行い、説明会で話した内容をテレワーク専用ページに掲載して、いつでも内容を確認できるようにしました。
テレワーク申請は上長の承認のもと提出すれば、年度の終わりまで有効です。2019年2月現在、利用申請者数は65名です。
テレワークへ「何となく感じている」ハードルを下げていきたい
これまでの取り組みを振り返っていかがですか?
テレワーク利用申請を行って活用している社員は、「とても便利」だと感じているようです。ポジティブな感想を聞くことが多く、利用のリピート率は高くなっています。
一方、テレワークを利用することに何となくハードルを感じている社員は、少なくないと思います。いかにハードルを下げていくかは、社内の風土改革と一緒に長期的に進めていきたいです。
テレワーク利用環境については、購入予定の機器の納品遅れなどがあり、インフラ整備のスケジュールが後ろ倒しになっています。当初は2018年秋ごろから新しいパソコンに切り替える予定でしたが、こちらは完了が来年度中と延びました。利用環境が整えば、もっとテレワークがしやすくなります。
おふたりは今年度、どの程度テレワークを利用されてきましたか?
仁多見さん:
打ち合わせが入っていない日は、積極的にテレワークをしています。週1~2回、月曜日や金曜日に在宅勤務をすることが多いですね。テレワークがなかった頃と比べると、今は状況に応じて場所を問わず仕事ができるのが、気持ちの上でとても楽になりました。
たとえば、電車やバスが混雑でひどく遅れているなら、途中で下車してカフェなどで仕事を始めたり、在宅勤務に切り替えたりということが今は可能です。また、働く場所を変えると、集中力が増すこともわかりました。
平野さん:
私は週1回程度、自宅からの距離が近い契約モバイルワークオフィスで、テレワークをすることが多いです。通勤時間が川崎本社よりもずっと短くなるのはうれしいですね。モバイルワークオフィスを外出の前後に利用する場合もあり、以前より時間を有効に活用できています。
現場の声を聞きながら、社内にテレワーク利用が広がる風土づくりをしていきたい
来年度以降、どのようにテレワーク利用を拡大していきたいですか?
テレワークを利用できる風土にあるかどうかについては、現在、まだ部署間で差があります。各部署の上長の考え方に左右される面が大きいため、たとえば部下はテレワークを利用したくても、上長が消極的な場合は難しい状況です。
もちろん、職種などにもよりますが、会社全体としてテレワークを「自分ごと」ととらえられるようなマインドの変化は必要だと感じています。具体的にどのように働きかけていくかは、社内アンケートをとったり、直接社員から話を聞いたりしながら検討を進めています。
持ち運びできるパソコンがなければ仕事ができないというものではなく、たとえば提案書の企画を社外で練っても良いわけです。全社員にスマートフォンは貸与されていますので、メールを見たり調べ物をしたりすることは可能です。
また、お客様先で事務作業をしている社員も、テレワークが可能な環境を実現できればと思っています。お客様といろいろ相談をしながら、調整していきたいですね。
今後のテレワーク推進活動についてお聞かせください。
テレワークは働き方の選択肢の一つとして会社から提示されているだけなので、どうしてもやらなければならないというものではありません。ですが、活用していくと仕事にも柔軟性が生まれる可能性が高いと感じています。それが伝わっていくような推進活動を考えています。テレワーク専用サイトに、実際に活用している社員の事例を掲載していければと思います。