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株式会社お金の家庭教師  全社員がテレワーク勤務を実施。採用活動も完全にオンライン化しており、全国どこ にいても就労が可能。育児や介護などで制約のある人の就業機会の拡大に貢献してい る。マネジメント体制や研修も充実しており、各人のキャリア形成をサポートしながら永 続的にテレワークを活用できる体制が作られている。 会社概要 組織名 名称:株式会社お金の家庭教師 創立:2008年 組織代表者 役職代表取締役社長 氏名木村仁哉(きむらじんや) 業種情報通信業 所在地東京都 総従業員数52人(2020年8月時点) テレワークの導入形態 終日在宅勤務 部分在宅勤務 モバイル勤務 サテライトオフィス勤務 テレワークの利用者数(過去1年間)52人(2020年8月時点) ■制度の整備状況  テレワークに係る社内制度や教育ツールなどは、いつでも閲覧可能な社内マニュアルサイト に掲載し、情報共有を徹底している。また、セキュリティに関する研修などを定期的に開催し、 テレワークにおいて必要となるリモートリテラシーの強化に組織全体で取り組んでいる。 ■経営上の位置付け  会社設立当初より、テレワークを導入しており、その柔軟な働き方の意義やルール、テレ ワーク特有の働き方のポイントなどが文化として根付いている。現在、テレワーク下における より良い人材育成に組織として焦点をあてており、代表自らが「テキストコミュニケーション」 や「セキュリティ」また「ビジネスモデル」に関するオンライン研修で講師を務めるなど、率先し て推進している。 基本的な事項 12 ■周知・啓発方法  社内ルールや業務効率化、セキュリティに関する研修などを定期的に開催している。社員 がいつでも閲覧できる社内共有サイトには、リモートリテラシーの強化につながる情報や各種 オンラインツールの操作方法についての情報を適宜更新して共有しており、在宅でありなが ら全社員が最新の情報を得られる環境を整備している。入社時研修と昇格時研修はそれ ぞれ2日間、全員対象の勉強会は月1回実施している。 ■人事・労務管理の整備  長時間労働是正のため、上司とのオンラインの1on1ミーティングを実施し、適正な労働時 間が確保されるよう確認を行っている。また、チーム制を採用することで、個人の事情による 急な稼働時間の変更にもチームで対応することができ、過度な長時間労働が発生しないよう 対策を行っている。 (図表1 チーム制による働き方のイメージ)  組織内のメンバーは他のメンバーの労働時間及び業務内容を確認することができるの で、自分の生産能力を認識でき、その結果、労働時間の管理能力が高まってきている。 【人事評価面での取組】  社員全員がテレワークを行っているのでテレワークの実施を理由とする不利益な人事 評価は発生しない。組織内のメンバーは他のメンバーの業務日報をいつでも確認できるた め、上司による業務の進捗確認のみならず、縦横いずれにおいても確認し合える環境と Aチーム 【A社案件】 Bチーム 【B社案件】 Cチーム 【C社案件】 Dチーム 【経理】 Eチーム 【人事】 個人の 稼働 時間 4時間 8時間 7時間 5時間 6時間 業務別稼働時間5時間6時間6時間9時間4時間30時間 Fさん 子供が幼稚園から帰宅 する13時までの勤務 Hさん フルタイムでの 勤務が可能 Sさん 自身の通院のため週に 2日はフレックス勤務 Tさん 介護施設への送迎のため 昼間に集中して勤務 Kさん 常時フレックス 業務量に合わせて稼働 9:00~11:00 8:00~9:009:00~10:00 15:00~16:00 13:00~15:00 17:00~19:00 13:00~15:00 11:00~12:00 13:00~15:00 10:00~12:00 11:00~12:00 13:00~17:00 8:00~12:00 10:00~11:00 12:00~13:00 10:00~12:00 15:00~16:00 13 なっている。また、半期に一度の評価面談で出された行動特性に関するコンピテンシー評 価は全社公開をしており、評価の公平性を確保している。  個人の担当業務や、稼働状況、評価内容がすべて社内で公開されており、他スタッフ の状況も確認できることで、組織指向性が高まり、チーム全体としての生産性の維持や社 員個人のモチベーション維持につながっている。 ■情報通信環境の整備 【在宅勤務】  クラウド型のコラボレーションツールを導入しており、ホストとして全国に点在しているス タッフのアカウントを一元管理することにより、社内全体のセキュリティを強化している。入 退社の際もデータ移行や管理に時間を費やすことなくスムーズに対応可能となっている。 クラウドツール使用時の2段階認証も徹底している。 【サテライトオフィス勤務】  2019年には熊本県庁にて熊本県立会いのもと、八代市と立地協定を締結した。紙媒体 の社内バックオフィス業務をサテライトオフィスに集約して常駐スタッフが対応することによ り、全国に点在している社員がオンラインにコミットできる環境を確保した。同市内での積 極的な採用活動を通して、地域住民との交流を深めている。サテライトオフィス勤務のス タッフにおいてもテレワーク環境は整っているため、本人の希望に応じて、在宅勤務に切り 替えるなど柔軟な対応ができている。 (写真1、2熊本県八代市におけるサテライトオフィス開設の様子) 14 ■健康で豊かな生活のための時間の確保 【労働時間の工夫】  採用時に、始業時間を含めた就業時間について、本人の希望を可能な限り考慮して決 定している。入社後も本人の希望に応じてフレックス勤務の選択を認めている。  管理職であるマネージャーの休暇申請や急な欠勤なども、全社員が確認できるチャット のシステム上に率先して申請を行うことで、一般社員も申請しやすい環境となっている。子 どもの参観や家族の行事においても申請をためらうことなく、毎月、社員の8割が休暇申請 や就業時間の変更などを行い、すべてを承認できている。 ■就労による経済的自立、多様な働き方・生き方の選択 【多様な人材の活躍】  本人の障害はもちろんのこと、子どもを含めたその家族の障害により、出勤困難なスタッ フの採用も積極的に行っている。本人やその家族の定期的な通院を要する社員が全体 の2割ほど在籍している。 【育児・介護と仕事の両立】  テレワーク勤務を訴求した採用活動を行っており、子育てや介護、持病などで制約があ る求職者からの応募も多い。キャリアの継続を希望する制約のある求職者に対し、就労の 機会を提供できている。子育て中の社員40名、持病などで定期的に通院を要する社員6 名、また家族を介護する必要のある社員も含めると全体の9割以上の社員に制約がある 中、テレワークとフレックス勤務などを併用し、業務に支障をきたすことなくワーク・ライフ・バ ランスが実現できている。産休・育休からの復職率は会社設立以来100%である。 (図表2 社員構成の特徴) ワーク・ライフ・バランスに関する事項 仕事を行う上で何らかの制約があるスタッフは全体の約9割。その中でも子育て中の社員40名、 定期的に自身の通院を要する社員6名、家族の介護が必要な社員4名となっている。 制約無何らかの制約有 【子育て中の社員】 40名:約8割 社員の多くは核家族世帯ですが、 急な自宅保育の場合でも柔軟に 勤務時間を調整する事が可能です。 15 【採用応募・異動時の選択】  2015年より採用を完全にオンライン化した。対面での選考プロセスをなくし、書類選考と オンライン面接に一本化したことにより、事務系の有効求人倍率が低い傾向にある地方在 住者や妊娠・育児・介護などの理由により制約がある方へ就業の機会を提供できるように なった。月平均110人ほどの応募者の中より、毎月1〜2名の採用を実現できている。また、 海外在住社員が現在2名おり、家族の転勤等で就業困難となった優秀人材の確保を可 能にしている。オンライン求人に特化した求人媒体を利用することにより、採用コストも削減 できた。オンライン面接とする事で、採用までに複数回の面接を実施することができ、採用 後のミスマッチも削減できている。 ■社員の満足度  毎年実施している「働き方満足度アンケート」では、8割以上の社員が働き方に満足してい るという結果を得られている。 〈テレワークで働く社員のコメント〉 ・「完全テレワーク」において問題視されやすいコミュニケーション不足ですが、意思の疎通で 困ったことはありません。それは、各々が離れているからこそ、相談しやすい、されやすい相互 コミュニケーションをより明確に意識し、実践しているからだと思います。 ・スキルを身に付ける姿勢で業務に臨むと、どんどんスキルアップ出来る環境です。 また、定期的に社内研修も開催されツール使用のスキルアップやリモートワークにおける業 務のコツなども学ぶことができる場があります。 ・チームメンバーとはチャットで常に連絡を取り合うので、疑問点は即解消され意思疎通もでき ていると日々感じています。またチームミーティングや面談もあり、相談しやすく助け合える 環境なので安心して働くことができています。  遠隔での勤務で発生しがちな社員のエンゲージメント低下を防ぐため、社内報の発行や オンラインランチ会、趣味趣向・地域別サークルの形成を促進するサポートを組織全体で取 り組むことで、より質の高 い満足度につながってい る。懇親会は半年に1度、 オンライン昼食会は月3回、 オンライン飲み会は月1回 実施している。参加者には 飲食代を支給している。 (写真3 オンライン飲み会の様子) 16  業務上にて使用するデータは、クラウドでのデータ共有だけでなく、各自が遠隔にいても同 時編集できるツールを使用するよう徹底して周知している。社内業務のみならず、顧客との やり取りに関してもオンラインツールの利用をお願いしており、必要に応じて操作方法のレク チャーなども実施している。  同時編集ツールを使用することで、各人の業務進捗の確認や常に新しいデータ情報の保 持・共有ができるため、全体としての作業効率が格段にあがり、生産性の向上につながって いる。また、上記の取組により、書類を要する業務は全体の1割に満たない結果となっている。  業務の幅が広いため、業務別に使用ツールを選定。様々なツールを併用することで、遠隔 でも作業進捗が見える化でき、ロスなく業務遂行が可能となっている。システムにかかる月間 費用もおよそ16万5千円と自社開発よりも低コストで、テレワーク化においてかかりがちなラン ニングコストを抑え、その削減分をテレワーク下におけるマネジメントや研修の実施に活用す ることで、人への投資を実現している。こうした工夫により、全社員テレワークの組織運営が 10年以上続けられ、組織文化として根付かせられることにつながった。  テレワークの更なる拡充として、訪問を伴う部署に関しても、新型コロナウィルス感染者が 増加しはじめた3月下旬以降、テレワーク勤務に移行した。従来からのテレワーク勤務者にお いては、学校の休校に伴い、子どもがいながらの勤務がより柔軟に行えるよう、フレックス勤務 を奨励し、全従業員の7割が、テレワーク下でのフレックス勤務となった。 オンラインツール活用による生産性向上の工夫 株式会社お金の家庭教師 新型コロナウイルス感染防止に向けたテレワークの取組 17
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