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シックス・アパート株式会社 出社不要のテレワークを前提としており、場所や時間にとらわれない自由度の高い 働き方を実現している。テレワーク手当の支給やIoT機器センサーと連携するチャット BOT、地方自治体と連携したテレワーク普及活動など、他社の参考となる取組を実践し ている。 ■制度の整備状況 SAWS(SixApartらしいWorkingStyle)と名付けた、一人ひとりが幸せに働き続け るためのシンプルなルールを制定して運営している。2016年8月より、全営業日でテレワーク 勤務を前提とし、10席ほどの小さなオフィスに移転した。これにより削減できたオフィス関連コ ストは、テレワーク手当として全従業員に支給している。テレワーク規定、テレワーク手当、有 給休暇以外のルールについては、社員が各自で柔軟に運用している。個別事情に合わせた 細かい制度・ルールはあえて定めていない。汎用的で最小限のルールしかないため、育児や 介護、趣味、スキルアップなど、一人ひとり異なる働き方のニーズに対応できる自由度の高い 働き方を実現している。 会社概要 基本的な事項 組織名 名称:シックス・アパート株式会社 創立:2003年 組織代表者 役職代表取締役 氏名古賀早(こがはじめ) 業種情報通信業 所在地東京都 総従業員数23人(2020年8月時点) テレワークの導入形態 終日在宅勤務部分在宅勤務 モバイル勤務サテライトオフィス勤務 ワーケーション テレワークの利用者数(過去1年間)23人(2020年8月時点) (画像1SAWSのイメージロゴ) 18 ■経営上の位置付け 2016年6月のEBO(従業員による企業買収)による親会社からの独立を機に、SAWSと 名付けた働き方改革を開始した。社員が幸せに働き続けるため、時間・場所ともに自由に働く ことができる制度となっている。 ■周知・啓発方法 ほとんどの社員が関わるEBOという形で独立したため、会社の成長のために社員が結束 している。経営陣からの発案でSAWSが始められ、オフィスの縮小により削減したコストをテ レワーク手当の財源とするなどの決定は、社内の総意で実施されている。 ■人事・労務管理の整備 【労務管理の運用ルール】 それぞれ自己申告で勤務時間を報告している。出勤簿はクラウドサービスを利用してお り、スマホからも打刻が可能となっている。日中、私用があるときに一時退勤して再び出勤 して業務を再開することも可能である。 信頼をベースに会社が細かく管理しないことが自由に働きやすい環境作りに役立ってい る。業務開始・終了時間の調整、中抜けなど、時間の使い方はすべて個人の裁量で行うこ とができる。 【人事評価面での取組】 全社員がテレワーカーのため、評価基準は共通である。チーム毎に毎週業務内容を報 告し、年1回以上個人の目標設定と上司との進捗確認を行い、一人ひとりの成果にあわせ た評価を行っている。 業務内容やチームとの連携に不都合が無いよう、各自が考えてプライベートも含めて働 く場所と時間をやりくりしており、勤務時間ではなく、成果とその過程を評価している。 ■情報通信環境の整備 在宅勤務・サテライトオフィス勤務・モバイル勤務のいずれの勤務形態であっても安全かつ スムーズに業務を遂行するため、社内インフラ・セキュリティを管理するITチームが、以下の ルール策定や啓蒙活動を行っている。 ・オフィス外から、安全に社内情報にアクセスするためのVPN環境などの整備 ・持ち出しPCの管理ルール整備と、定期的なセキュリティチェック ・相談先として、ITチームへのチャット連絡窓口を用意 ・私物のスマホやPC利用時の業務遂行の際のルール策定 ・営業チーム、サポートチームには、会社番号で発信できるIP電話を自宅に設置 ・事故やトラブルなどの緊急時のルール制定と対応マニュアル、窓口の用意 19 ■環境整備上の工夫 【コミュニケーション面の工夫】 社内でコミュニケーションを取る際に多用し ているチャットツール内に、IoT機器センサーと 連携する会社公式キャラクター「トフ」のBOT を常駐させている。このトフは、オフィス内の気 温・湿度・二酸化炭素濃度・明るさの変化のお 知らせ、天気情報、出社している社員数の報 告など多くの機能を搭載している。 【オフィスを移転】 EBOを契機として、テレワーク前提の働き方にしたため、以前の3分の1のサイズのオフィ スに移転した。フルタイム・パートタイム合わせて40人ほど従業員がいるのに対し、オフィス 内のフリーアドレス席は全10席のみである。会議室、必要書類や資材を保管するスペー ス、複合機やその他業務機材など必要な設備を揃え、その他にコストをかけるのをやめる ことで、オフィスにかけるコストを最低限にとどめている。 【テレワーク手当の支給】 オフィス移転に伴って削減できたコストをテレワーク手当として、全社員に毎月1.5万円を 支給している。通信費や環境整備のための費用としており、申請不要で自由に使用できる。 (画像3オフィス移転の効果) (画像2会社公式キャラクター「トフ」) 20 ■健康で豊かな生活のための時間の確保 【労働時間の工夫】 健康で豊かな生活のための時間をどう確保したいかは社員一人ひとりで異なるため、 残業禁止や有給休暇などを「会社が全社員に呼びかける」というスタイルにはしていな い。社員それぞれが自発的に、自分が働きやすく会社の成長に貢献できる働き方を考えて 実践し、会社がそれを支援している。会社は、社員による自発的な自由度の高い働き方の 実践を支援する立場であると考えており、会社が社員に対して、「自由に働いて良い」と許 可をするという考え方ではない。社員は、早く業務開始するのも終了するのも、各チーム内 で不都合がなければ自由であり、緊急の業務のために労働時間が増えてしまう週があれ ばその翌週などに業務時間を調整できる。主に自宅で働くため、家庭の事情にも柔軟に対 応することができる。 会社から勤務時間の調整を促す必要がある勤務時間の超過は、ほとんど発生していな い。ただし、自治体、企業などのウェブサイトの安定運用を支えるシステムを提供しているた め、サービスのトラブルによりサイトが閲覧できないなどの事態が起きた場合には深夜早朝 問わず緊急対応を行う必要が出てくる。そのような場合は、問題解決後、休暇を確保する などの対応をしている。 ■就労による経済的自立、多様な働き方・生き方の選択 【多様な人材の活躍】 足をケガしたため歩行は困難だがデスクワークは可能であった社員が自宅から勤務し ていた事例や、感染症に罹患しすでに熱は下がっているが感染防止のための自宅待機 中に自宅から勤務していた事例がある。回復に努めるべき日には休んでいるが、頭と手が 動き業務に支障が無ければ、本人(及び医療機関)の判断をもとに可能な範囲で働くこと ができる。 【育児・介護と仕事の両立】 朝早くに業務を始め早めに終了する、日中は子供の学校のボランティア活動のために中 抜けするなど、それぞれプライベートや業務の都合に合わせて勤務時間を柔軟に調整し ている。 離れて暮らす両親の入退院のケアのために月の半分ほど帰郷し、病院の付き添い以外 の日はテレワークを行っていた事例もある。帰郷中でも働けるため、必要があればすぐに家 族の元に駆けつけ、現地に長く滞在することも可能である。東京にいないと遂行できない 業務がある場合は、東京にいる社員に必要に応じて協力を求めて対応している。 ワーク・ライフ・バランスに関する事項 21 青森県の中学生向けにはテレワークの働き方紹介、技術系高校生向けにテレワークで働 けるWeb制作の講習会を実施した。社会人向けにも、青森県商工労働部新産業創造課と 共に地方へ移住するUIJターンを支援すべく高技能テレワーカー養成のためのセミナーを実 施している。 (写真1青森県の高校生向けのWeb講習会の様子) 秋田県大館市とは、2019年夏に自社社員による現地のサテライトオフィス体験や、現地の コミュニティとの交流を実施した。この取組は現地の複数の新聞に掲載された。 (写真2秋田県大館市での子連れワーケーションの様子) 地方自治体との取組 22 【オフィスクローズ】 緊急事態宣言下の期間はオフィスを完全にクローズした。電話、郵便、宅配、来社をす べて止め、必要な物は代表の自宅や総務担当者の自宅に転送手配した。緊急事態宣言 終了後も、全社員が必要最小限のみの出社に留めている。 【すべての会議をオンライン化】 2016年夏より実際に集まる会議は月数回で、ほとんどの会議をオンラインで開催してい たが、コロナ禍を機に2020年3月以降すべての対面の会議を無くしオンライン化した。 【他社と共にノウハウを発信するTDMテレワーク】 2019年夏、ソフトウェア開発を行うアステリア社を中心に首都圏約30社でテレワークの ノウハウを情報交換し、情報発信する「TDMテレワーク」グループを結成しており、その 2020年3月には子どもが在宅している中でのテレワークのための提言などを公開し、多く の媒体に掲載された。 【自社のノウハウをテレビ・新聞・雑誌等で発信】 シックス・アパートのこれまでの4年間のテレワークのノウハウを積極的に発信した。在宅 勤務のコツ、テレワーク手当の事例、オンライン会議のノウハウなど、主要なメディアでコロ ナ禍の働き方のロールモデルとして事例が掲載された。 シックス・アパート株式会社 新型コロナウイルス感染防止に向けたテレワークの取組 23
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