テレワーク規程 ここがポイント
今年の夏は、例年にない暑さになりましたが、皆様いかがお過ごしですか。ここ東京テレワーク推進センターには、最近、「コロナ禍で緊急導入したテレワークをちゃんと制度化するため、テレワーク規程を作成したい」といったご相談がよく寄せられるようになりました。そこで今回は、このテレワーク規程(在宅勤務規程)について少しお話しします。
コロナ禍で、テレワークを緊急的に導入したが、通信費など経費の負担、テレワーク手当、自宅での労災事故の考え方など多くの課題を残したままで、コロナ5類移行後に改めてそのような課題が顕在化した企業は多いと思います。せっかくテレワークという有意義な働き方を導入できたわけですから、その定着化を目指し、次に何が必要かを考えてみる時期にきたのではないでしょうか。
それでは簡単に主なテレワーク規程のポイントをご説明していきます。
- 1.労働条件通知書に「就業場所・業務の『変更の範囲』の明示」が必要に 令和6年4月から、労働基準法施行規則の改正が施行され、労働契約締結及び有期労働契約の契約更新のタイミングにおいて労働条件通知書に「就業場所・業務の『変更の範囲』の明示」が必要となりました。「就業場所」は労働基準法でも絶対的明示事項であり、就業場所に変更がある場合は、テレワークを行う場所が含まれるよう明示が必要になりました。その場合、テレワーク規程等就業規則上の規定が必要です。そこで、「テレワーク規程」がない場合、労働条件通知書の根拠がなくなりますので、早急に整備する必要が生じます。
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2.整備すべき「テレワーク規程」とは
相談が多いのは、「テレワーク規程には何を書けばいいのか?最低限何を整備すればいいのか」という質問です。厚生労働省では、この規程の作成のために「テレワークモデル就業規則」を提供していますので、まずはこれをご覧いただければどのような内容になるのかを確認いただけます。このモデル就業規則についても不明の点がありましたら、遠慮なく私どもにご質問ください。
※テレワークモデル就業規則 teleworkmodel.pdf (mhlw.go.jp)
それから、私どもは東京都の事業者様向けの相談窓口ですので東京都が実施している「テレワーク東京ルール実践企業宣言」に応募したいのでテレワーク規程をどのように作成するのか、という相談もよく受けます。(この制度は、企業がその実情に応じてテレワークデイやテレワークウィークの設定、育児・介護期間中のテレワーク勤務など、独自のルールを策定し宣言するものです。)
「テレワーク東京ルール」実践企業宣言 (tokyo.lg.jp)
この取り組みにおいては、作成するテレワーク規程に次の①~④の要件を全て満たすことが必要とされています。
①労働時間の管理体制を定めること
②情報通信機器の管理方法(貸与の有無等)を定めること
③情報の取扱いを定めること
④通信料の費用負担を定めること つまり、この4項目を基本的に盛り込んだ上で、テレワークの実施場所、通勤費の扱いやテレワーク手当の設定など、企業で独自に設定する項目を加える、ということを説明しています。
上記はご参考の一例ですが、規程類を一から作るとなるとやはり難しく感じられるかもしれませんので、その場合はぜひ、私ども東京テレワーク推進センターに電話やメールで相談いただくか、無料のコンサルティングをご活用ください。
テレワークに関しまして、何かお困りごとや課題などがございましたら、以下までご相談ください。
東京テレワーク推進センター相談コーナー(東京に所在する事業者様が対象です。※)
0120-260-090 (平日9:00-17:00)
(相談無料、1回1時間のコンサルティングが3回まで無料)
※東京以外に所在する事業者の方は、こちらから
相談センター | 参考情報 | テレワーク総合ポータル (mhlw.go.jp)
テレワークに関しまして、何かお困りごとや課題などがございましたら、以下までご相談ください。
0120-260090(平日9:00~17:00)
(相談無料、1回1時間のコンサルティングが3回まで無料)
※東京以外に所在する事業者の方は、こちらから
執筆者
相談員 荒武 慎一(あらたけ しんいち)(社会保険労務士、中小企業診断士)
大手精密機器メーカーを経て、平成27年アラタケ社会保険労務士事務所を開設。
助成金セミナーを各地で開催し、難解な助成金をわかりやすく解説するなど好評を得ている。