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コラム1 2023.07.12

「出社」VS「テレワーク」の先へ

 新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、出社への回帰が進み、通勤時間帯のラッシュがコロナ禍前に近くなったように思います。テレワークを導入した理由が「コロナ対策」であれば、5類移行によってその大義がなくなり、コロナ禍前に戻すという発想は自然なように見えます。

 こうした中で議論になるのが、今後の働き方は、「出社」VS「テレワーク」のどちらかということです。この議論は、東京テレワーク推進センター相談コーナーに寄せられる相談状況を見ても、今後は出社させたい「経営者」VS 今後もテレワークを継続したい「従業員」のちょっとした対立構造になっていることが多いと感じています。

 コロナ禍においてはじめてテレワークを経験した人も多く、様々なメリットが顕かになっていますが、実際のところ裏メリットのような意見として、
・ 職場の人と会わなくてすむ(気の合わない上司と離れられる、とか)
・ 自分の仕事以外の余計な事を頼まれなくてすむ(本来の業務以外はできるだけパスしたい、とか)
・ 少し長めの息抜きも咎められない(周囲の目を気にせずのびのびできる、とか)
を享受された(?)方も一定数いらっしゃるかもしれません。
「移動時間が削減されて効率的だ」「満員電車の疲れから解放される」「web 会議で効率が上がった」等テレワーク本来のメリットが多数寄せられる一方でこのような「裏メリット」が見え隠れしていることも相談対応で感じることがあります。残念ながら、そのように裏メリットが見え隠れするようなテレワークには持続可能性を感じられません。もしかすると出社へと舵を戻す経営者の一部は、働き方を元に戻せば従業員の意識も元に戻ると思われているかもしれません。あるいは経営者は孤独で、多くの従業員がテレワークをすると寂しいだけなのかもしれません。その一方でコロナ禍でのテレワークの導入を会社の変革の大きなチャンスととらえ、従業員の生産性やモチベーションの向上を実現し、大きく業績を伸ばした企業も多数あり、そのような企業はすべからくテレワークをはじめとした働き方改革のさらなる進化に取り組んでいます。

 一般社団法人日本テレワーク協会では、今、場所にとらわれない働き方の普及を目指した活動をしています。在宅、移動中、サテライトオフィス、そして自然豊かな環境下でのワーケーション等もテレワークに含まれます。このような働き方を通じて、今までにない新しい価値を創造し、結果を出していく。これからの社会は、今ある仕事を同じようにこなすだけでは成り立たず、働き方を転換して発想力・創造力を高める必要があるというメッセージでもあります。当然今まで通りの仕事のやり方では、このような働き方の転換はうまく進まず、業務分析と改革、DX化等仕事のプロセスそのものを変えることをトリガーとし、それが結果としてテレワークをはじめとした働き方改革につながっていくことになります。

 「コロナ対策」の大義がなくなった今、企業が持っている発想力・創造力を伸ばし活かすために、「出社」VS「テレワーク」という論争を超えた働き方本来の転換を目指す時期が来ているように思います。

 テレワークに関しまして、何かお困りごとや課題などがございましたら、以下までご相談ください。

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