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コラム16 2025.12.25

治療と仕事の両立支援が努力義務に!

時の経つのは早いもので、もう今年も終わりに近づいて参りました。北国や日本海側では雪の便りも届き、あれ程に世間を騒がせていた熊も冬眠に入ったのでしょうか。最近はニュースにも出てこなくなりましたね。皆さん風邪やインフルエンザも流行しているのでご自愛ください。
テレワーク相談センター相談員の川田です。


さて、治療と仕事の両立支援が令和8年4月1日から努力義務になることをご存じですか?
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(略称労働政策総合推進法)に、治療と仕事の両立支援に対する事業主の責務が明記されました。


その内容は、事業主は、疾病、負傷その他の理由により治療を受ける労働者について、就業によって疾病又は負傷の症状が増悪すること等を防止し、その治療と就業との両立を支援するため、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない、というものです。


これに必要な体制整備や措置には、テレワークが非常に有効な手段と考えられます。テレワークは、通勤の負担を軽減し、働く場所を柔軟に調整することができるようになり、治療中の従業員をサポートする上でとても効果的な手段です。


例えば、抗がん剤治療・放射線治療は治療サイクルがあり、倦怠感や吐き気などの副作用が出やすい期間があります。「隔週勤務」等を取り入れ、副作用が強く生じる期間は仕事を休み、副作用が小さくなり体調の良い日に、テレワークを取り入れることもできます。加えて治療に伴う免疫力低下に備え、感染症のリスクを回避することにもつながります。定期的な通院が必要な際には、通勤時間を削減し通院しやすくなるだけでなく、通勤がないことによる体力温存にも役立ちます。


また、厚生労働省の「治療と仕事の両立支援ナビ」に役立つコンテンツが豊富に掲載されています。特に、治療と仕事の両立には、事業者、労働者 (患者)、医療機関の連携が重要になってきます。「仕事と治療の両立支援カード」は、自分の仕事の働き方を含めた情報を主治医に提出し、主治医が事業者に対して必要な情報提供を行うことができるフォーマットです。


両立支援カード等により、主治医と産業医、事業者側が連携して労働者(患者)の業務内容や勤務状況を理解し、その治療と就業との両立を支援するために、テレワーク等によって治療と仕事のバランスの取れた働き方をしていただくことが効果的であり必要と存じます。


治療のために休むという選択肢だけでなく、治療をしながらバランスよく働くための手段として、テレワークは非常に有効です。リハビリ出勤としてテレワーク等を活用し、徐々に仕事に慣れるための期間としても活用できます。治療による身体的・精神的な負担を大きく軽減するための土台となる働き方です。ただ、対面の機会が減ることで、体調の変化や業務に関する懸念事項を周囲に「ちょっと相談する」機会も少なくなりがちです。治療を抱えていることを、患者自身と周囲が理解しながら、様々なフォローが必要になってきます。


テレワークに関しまして、何かご不明な点等ありましたら、どうぞテレワーク相談センターまで問い合わせください。
テレワーク相談センター(相談無料)0120-861009(ハローテレワーク)平日9:00~17:00
1回1時間のコンサルティングが3回まで無料で受けられます。

一般社団法人テレワーク協会 客員研究員 川田理華子

執筆者
一般社団法人テレワーク協会 客員研究員 川田理華子(かわだ りかこ)
(社会保険労務士、ソフトウェア開発技術者<現 応用情報技術者>、交流分析士1級)

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