改正育児・介護休業法に向けた準備はお済みでしょうか
冬本番で寒さも本格的になってまいりました。皆様お風邪をめしていらっしゃいませんか東京テレワーク推進センター相談員の川田です。
2025年4月より、改正育児・介護休業法が順次施行されます。その改正内容のうち、テレワークに関する改正は以下の通りです。
2025年4月 | 育児期の在宅勤務等の措置の努力義務化 | 3歳に満たない子を養育する労働者に在宅勤務等の措置の努力義務化 |
---|---|---|
育児短時間勤務の代替措置の追加 |
[既存]
|
|
[追加] 在宅勤務等 |
||
介護期の在宅勤務等の努力義務化 | 要介護状態の対象家族を介護する労働者に在宅勤務等の措置の努力義務化 | |
2025年10月 | 柔軟な働き方を実現するための措置の義務づけ |
3歳から小学校就学前までの子を養育する労働者に関して、次のうち2つ以上の措置を講じる(労働者はそのうち1つを選択して利用) 【フルタイムでの柔軟な働き方】
|
育児や介護にかかる時間的制約は大きく、今も育児や介護を理由に離職する人は絶えません。厚生労働省の調査(*)によると、介護を機に離職した者の3割がテレワークを「利用したことはないが、今後利用したい」と答えています。また、育児を機に離職した女性正社員の約3割が、「テレワーク制度があれば仕事を続けられたと思う」と回答しています。
このことからも、テレワークで柔軟な働き方ができるようになると、育児や介護等の時間的制約がある中でも仕事を継続できる環境を整えることができます。人材を確保するために、今やテレワークは欠かせないものになっています。
中小企業庁の白書(*2)よれば、中小企業ではコロナ禍においても7割以上の企業がテレワークを実施せず、現在は8割以上の企業が実施していません。人手不足で悩み、優秀な人材を確保したいと考えるのは、どこの企業においても同じですが、特に中小企業は深刻なことが多いと感じています。中小企業こそテレワークの導入を進め、魅力ある企業づくりに取り組む絶好のタイミングにいます。
採用では全国から応募が可能になり地理的制約が解消される、先進的な働き方に取り組んでいる企業としてブランドイメージが向上する、働く人の価値観の変化に対応でき優秀な人材が定着する等々、中小企業がテレワークを導入するはメリットだらけです。テレワーク導入に一定の費用を要することがほとんどですが、最近では安価なクラウドツールも多く、厚生労働省の人材確保等支援助成金(テレワークコース)<助成対象は中小企業>の活用で、費用負担を抑えることもできます。
働き方改革、特にテレワークの導入は、伝統的な企業文化から、変革できる企業体質に向けた最初の一歩だと感じています。自社で解決したい課題(=目的)を整理し、テレワークの導入で得られる効果や目標を設定し、効果測定も行うことで、改革の目的を見失うことなく、魅力ある企業づくりを実現できます。2025年4月から育児、介護期の労働者が利用できるよう導入が努力義務となり、10月から義務づけられる柔軟な働き方を実現するための措置の1つであるテレワーク等(在宅勤務等)、これらの導入を是非進めてほしいと考えています。
テレワークに関しまして、何かお困りごとや課題などがございましたら、以下までご相談ください。
(*)厚生労働省の調査
「令和4年度 仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書 〈労働者調査〉 」
「令和3年度 仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 報告書 労働者アンケート調査結果」
0120-260090(平日9:00~17:00)
(相談無料、1回1時間のコンサルティングが3回まで無料)
※東京以外に所在する事業者の方は、こちらから
執筆者
一般社団法人テレワーク協会 客員研究員 川田理華子(かわだ りかこ)
(社会保険労務士、ソフトウェア開発技術者<現 応用情報技術者>)