(問16)テレワークを導入した際の交通費や在宅勤務手当は社会保険料・労働保険料等の算定基礎に含めるべきでしょうか?

(答16)
 テレワークに要する費用負担の取扱いについては、あらかじめ労使で十分に話し合い、企業ごとの状況に応じたルールを定め、就業規則等において規定しておくことが望ましいとされています。テレワークを実施するに当たり新たに発生する費用等について企業が負担する場合、これら費用等を社会保険料・労働保険料等の算定基礎に含めるか否かについては、以下の内容を参考に、適切に取り扱っていただく必要があります。
 なお、社会保険料・労働保険料等の算定基礎となる「報酬及び賞与(以下「報酬等」という。)」や「賃金」は、法律上(健康保険法、厚生年金保険法及び労働保険徴収法)、賃金、給料、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのものであるとされています。
 また、事業主が負担すべきものを労働者が立て替え、その実費弁償を受ける場合、 労働の対償とは認められないため、報酬等・賃金に該当しないこととされています。

(1)テレワーク対象者が一時的に出社する際に要する交通費(実費)について
 基本的に、当該労働日における労働契約上の労務提供地が自宅か企業かで、以下のとおり、当該交通費を社会保険料・労働保険料等の算定基礎に含めるか否かの取扱いが変わります。

イ)当該労働日における労働契約上の労務の提供地が自宅の場合
 労働契約上、当該労働日の労務提供地が自宅とされており、業務命令により企業等に一時的に出社し、その移動にかかる実費を企業が負担する場合、当該費用は原則として実費弁償と認 められ、社会保険料・労働保険料等の算定基礎となる報酬等・賃金には含まれません。
ロ)当該労働日における労働契約上の労務の提供地が企業とされている場合
 当該労働日は企業での勤務となっていることから、自宅から当該企業に出社するために要した費用を企業が負担する場合、当該費用は、原則として通勤手当として報酬等・賃金に含まれるため、社会保険料・労働保険料等の算定基礎に含まれます。

(参考)

当該日における労働契約上の労務の提供地「自宅-企業」間の移動に要する費用の取扱い社会保険料・労働保険料等の算定基礎
自宅業務として一時的に出社する場合は実費弁償(報酬等・賃金に該当しない)非対象
企業通勤手当(報酬等・賃金に該当する)対象

(2)在宅勤務手当について
 企業がテレワーク対象者に対し「在宅勤務手当」を支払う場合、当該在宅勤務手当を社会保険料・労働保険料等の算定基礎に含めるか否かの取扱いについては、当該在宅勤務手当の内容が企業毎に異なることから、その支給要件や、支給実態などを踏まえて判断する必要がありますが、基本的な考え方は下記のとおりです。

イ)在宅勤務手当が労働の対償として支払われる性質のもの(実費弁償に当たらないもの)である場合
 在宅勤務手当が、労働者が在宅勤務に通常必要な費用として使用しなかった場合でも、その金銭を企業に返還する必要がないもの(例えば、企業が労働者に対して毎月5,000円を渡し切りで支給するもの)であれば、社会保険料・労働保険料等の算定基礎となる報酬等・賃金に含 まれると考えられます。
ロ)在宅勤務手当が実費弁償に当たるようなものである場合
 在宅勤務手当が、テレワークを実施するに当たり、業務に使用するパソコンの購入や通信に要する費用を企業がテレワーク対象者に支払うようなものの場合、その手当が、業務遂行に必要な費用にかかる実費分に対応するものと認められるのであれば、当該手当は実費弁償に当たるものとして、社会保険料・労働保険料等の算定基礎となる報酬等・賃金に含まれないと考えられます。